はじめに
新NISAが注目されていますが、iDeCo(イデコ)の存在を忘れていないか再確認しましょう。状況によっては、新NISAよりもiDeCo(イデコ)のほうがメリットが大きいことがけっこうあるんです。
iDeCo(イデコ)とは
iDeCo(イデコ)とは大雑把な言い方をすれば、自分で作る年金です。個人型確定拠出年金の愛称で、
individual-type Defined Contribution pension plan
の略です。
老後資金を目的に作られた制度なので、新NISAと比較して限度額がそれほど多くない点や、一定の条件を過ぎないと引き出せないなどのデメリットはあります。
けれどもそれ以上に、掛金全額所得控除など新NISAにはないメリットがあるのです。
新NISAで老後資金を作ることもできますが、老後資金を作るならiDeCo(イデコ)のほうがメリットは大きいんです。
新NISAとiDeCo(イデコ)の比較
新NISAとiDeCo(イデコ)の比較は以下の通りです。
出典:楽天証券
特筆すべきiDeCo(イデコ)のメリットは、何といっても節税効果です。
運用益が非課税なのは新NISAと同じですが、iDeCo(イデコ)はそれに加えて掛け金が全額所得控除されます。
サラリーマンはただでさえ節税する機会がほとんどありません。そのためiDeCo(イデコ)のメリットはかなり大きいです。もちろんフリーランスもメリットはあります。
iDeCo(イデコ)を利用できない人
ただしiDeCo(イデiDeCo(イデコ)を利用できない人がいます。自分が該当しないか確認してください。
① 国民年金保険料納付を免除されている(一部免除や未納を含む)
② 厚生年金被保険者ではない60歳以上で、国民年金に任意加入をしていない
③ 国民年金の任意加入をしていない海外居住の人
④ 農業者年金に加入している
⑤ iDeCoの老齢給付金を受給している、またはしたことがある(一括受取を含む)
⑥ 老齢基礎年金を繰り上げ受給している
⑦ 企業型確定拠出年金でマッチング拠出をしている
上記7つのうち通常注意するのは⑦のケースです。
ただし、2022年10月からマッチング拠出をするか、iDeCoするか自分で選択できるようになりました。iDeCoを利用する場合は、勤務先にマッチング拠出の停止を依頼します。
※ただし企業の規約上できない場合があります。詳細は勤務する企業に問い合わせて確認してください。
老後はすぐにやってくる。そして長い。
「自分で作る年金」というと、若い世代ではピンと来ないかもしれません。同時に「私には関係ない。」という感想を抱くかもしれません。
けれども日本は長寿高齢化です。まだまだ先と思っていた老後は意外と早くやってきます。その時に頼りになるのはやっぱりお金だと言う現実は変わりません。
私も40代のころ「老後はまだ先」と思っていました。体は健康だし、子供はまだお金がかかるし、夢中で暮らしていました。
ところが子育ても一段落ついて「自分の時間が持てる」と思ったのもつかの間、急な病で体が一変しました。
そこから現在まではあっという間です。気が付いたら老いは加速しているし、夫は定年目前、
「あれ?私って普通の若いお母さんだったよね?」
という感じです。
こういう時には難しいことは考えたくないというか、頭が回らなくなります。だからこそ若い段階からの準備がものをいうのだと実感しました。
資金にそこそこ余裕があるならiDeCo(イデコ)優先も一案
新NISAが注目されていますが、限度額の違いがあるとはいえ運用益が非課税という点は同じです。そこで迷うのは新NISAと iDeCo(イデコ)のどっちを優先するべきかです。
資金にそこそこ余裕があるならば、節税効果があるという点で、iDeCo(イデコ)を優先も一案です。ただし限度額がありますし、10年たたないと受け取れません。この点を考慮する必要があります。
iDeCo(イデコ)に使うお金は、新NISAよりもいっそう、猶予資金を使うことが必須となります。
iDeCo(イデコ)は定期預金も利用できる
それから新NISAとの違いとしては、iDeCo(イデコ)は定期預金も利用できるということです。
普通に銀行預金として定期預金に入れても金利はほぼ付きませんが、iDeCo(イデコ)を利用することで所得控除という形での実質的なメリットがあります。
本来金利がほぼないはずの定期預金が、まわりまわって所得控除という形ですが利息が付いたようなものです。
また、投資信託などの投資にどうしても踏み切れない人でも、定期預金であれば踏み切りたいというケースの場合も利用しやすいでしょう。
※ただ個人的見解ですが、
- 定期預金ではイデコのメリットのひとつ、「運用益非課税」が生かせない
- 定期預金での運用は複利効果が期待できない
・・ため、私の場合であれば「複利効果が生かせる金融商品を選びたい」と考えるところです。
専業主婦がiDeCo(イデコ)を利用する意味はあるか
そもそも税金を払っていない専業主婦がiDeCo(イデコ)を利用する意味はあるでしょうか。前提として専業主婦でもiDeCo(イデコ)は利用できます。
無所得の専業主婦は、その資金を夫などからの贈与の範囲内ということになります。
専業主婦が利用できるiDeCo(イデコ)の限度額は毎月5,000円から2万3,000円までの掛金の範囲です。年額でいうと6万円~27万6千円です。
目先の利益だけを考慮すると、専業主婦はiDeCo(イデコ)よりも新NISAメインのほうがよいでしょう。
ただし、iDeCo(イデコ)の解約しにくさ、が老後の資金作りになることなどを考慮して、あえて選択するということもあり得ます。
銀行預金や新NISAでは解約してしまう人が、イデコで解約しにくい状態をかえって利用するというくらいでしょうか。
投資信託などに踏み切れない方が、iDeCo(イデコ)で定期預金で積んでいくという視点もあります。(税金を払っていない専業主婦が定期預金をイデコで積んでも、所得控除がそもそもやりようがないので、直接の金銭的メリットはありません)
まとめ
- はじめに
- iDeCo(イデコ)とは
- iDeCo(イデコ)を利用できない人
- 老後はすぐにやってくる。そして長い。
- 資金にそこそこ余裕があるならiDeCo(イデコ)優先も一案
- iDeCo(イデコ)は定期預金も利用できる
- 専業主婦がiDeCo(イデコ)を利用する意味はあるか
- まとめ
- さいごに
さいごに
新NISAが注目されていますが、状況によってはイデコのほうがメリットが大きい場合があります。イデコの最大のメリットは節税効果です。つまり所得が多い人ほどイデコを使う効果が高くなります。
ただし60歳になるまで、または10年を超えないと解約できませんが、若い人、所得が多い人ほどイデコを使うメリットが大きくなります。
利用の注意点はあるものの、サラリーマンは節税できる要素がないので、ぜひ活用を検討してみてください。
もちろん、フリーランスの方も条件が合えばイデコのメリットは大きいです。
参考になればさいわいです。